蜂須賀敬明 バビロンの階段

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バビロンの階段(DMMで見るならこちら)
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バビロンの階段 内容紹介(出版社より)

青春大炎上……『横浜大戦争』で話題の若きストーリーテラー、超弩級書き下ろし!

目が覚めると、夕方の16時23分。外は雨が降っている。大学を中退して、仕送りもなく、2年近く続いた居酒屋のバイトもやめた。携帯も壊れた。ただひとり付き合っていた人妻ともケンカした。アパートの部屋を飛び出した僕は、なんとなく訪れた新宿の古びたバーで、かつて天才児として名を馳せていた親友の「サクマ」と再会して、ひさしぶりにビールを飲んだ。そのときには、すでに、貨物列車に轢かれて死んでしまっていたはずのサクマと……。

親友の死の謎を追いかけて、僕はようやく、自分の意思で動きはじめていた。「バビロン」とは何か? サクマは「バビロン」にいるのか?

ユーチューバー、女天才弁護士、伝説の元プロレスラー、美少女の元同級生……使えるものはなんでも使って、親友の死の謎を追いかける!

バビロンの階段 感想

ミステリー小説がメインの内容かと思うような出版社による紹介文だが、私はそれよりも、誰もが抱えている変身願望に関する考察が、小学校時代の苦い思い出と、大人になったばかりの若者の心の葛藤を交えて描かれている小説であると感じた。
最後の章から抜粋した下記の『』内の文言や、吉乃さんの台詞のなかに、作者の言いたい事が表現されていると感じた。
『もう心配する必要はなさそうだった。・・・その表情に、心当たりがあった。・・・前田さんはその表情を見たからこそ僕を後押ししてくれたのだ。今度は僕が、衝動に突き動かされている人間の背中をぽんと叩く番だ。こうやって、いつも誰かが誰かの背中を押して、世界は回っている。・・・』
なにをどう感じるかは、読者次第ですが。

この本の章タイトルが日付になっているのを見たとき、タイトルからは内容が推測できないので、退屈かもなと思った。
だが、しばらくすると難攻不落の城(診療所)を攻め落とすロールプレイングゲームのヒーロー(未散)を見ているような感覚になってきて、少しずつ気持ちが前向きになる。
小学生のころの人間関係の裏(真実)が分かると、敵だった人物が味方になる。ロールプレイングゲームで仲間が増えていく感じだ。
おかげで、飽きそうな予感がした最初の懸念は急速に薄れて、展開が楽しみになる。
さらに、途中から登場した、女性弁護士の吉乃さんの「台詞」にも引き込まれる。
そして説得される快感を味わう。吉乃さんの「台詞」だけ抜き出しても、この小説を堪能できそうだ。


表紙の女性は誰? 未世、藤代、タオ、吉乃? 吉乃さんはないか。。。 知っていたら教えてほしい。

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蜂須賀敬明さんのプロフィール

1987年、神奈川県出身。早稲田大学第二文学部卒業。2016年、『待ってよ』で第二十三回松本清張賞を受賞。圧倒的に卓抜なストーリーテリングが選考委員たちに高く評価された。2017年に『横浜大戦争』を上梓。保土ヶ谷の神を主人公に、横浜十八区の土地神たちが「横浜の中心」を決めるべく、バトルロワイヤル的な戦いを繰り広げるという長編小説。超弩級のエンタテイメント作品として、横浜市内の書店で大反響を得た。(本書の紹介文より)

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