登場人物を把握しておこう。
【少年探偵団】
団長:小林芳雄くん(小林少年):明智小五郎の助手
団員:羽柴少年
家は麻布箪笥町、お姉さんの早苗さんは福島へ疎開、お父さんの壮太郎さんは、えらくて金持ち。
【明智探偵事務所】
場所:龍土町
明智小五郎:探偵事務所 所長
明智文代:小五郎の妻、軽井沢のサナトリウムに入院
【警察】
警視庁の中村警部
【四谷財閥】
四谷剛太郎
四谷春江:剛太郎の娘、綾鳥学園の理事長
秘書の溝沼
【二十面相一味】
怪人二十面相
ミツル(女の子)
運転手の河合
あらすじ
時は敗戦直後の1946年、春。
米軍の占領中の街の様子がよく分かる。身分や立場の違いも。
その当時は、限られた人しか持てなかった運転免許を明智先生は持っている。
オートバイの運転も上手で安定しているらしい。
二十面相の配下の少女ミツルと明智先生の助手の小林少年。
二十面相は、予告をしてお宝を盗む。
二十面相は、人を殺さないのがルール。
二十面相の最大の特徴は、誰にでも変装できる点!
これって、犯人が分かっているので、推理小説ではない!?
どうやってピンチを切り抜けるのかという点が見ものの、サスペンス娯楽小説かな。
でも、二十面相が誰に扮装しているのかを見破る明智小五郎の推理の部分があるから、やっぱり半分は推理小説だ!
最初の二件の銀座の美術店と名古屋の映画館の事件は、明智小五郎が関与していないから、お宝を取られたお金持ちや警察が悔しがるのは、愉快痛快である!
そして、二十面相は、四谷家が不正に外国から持ち帰った「神像ガルーダ」を盗むと予告!
不正に外国から持ち帰ったので、警察に相談できない四谷家の春江は、明智探偵事務所に助けを乞いに来たが、不正なお宝の事情を知った明智小五郎は、助けを断った。
そして、小林少年は、友人の白石君から四谷財閥が建設している綾鳥学園の校庭に倒れている二宮金次郎の像が口笛を吹くのを聞いたとかなんとか言ってきたので、独断で綾鳥学園に潜入することにした。
同じように綾鳥学園に「神像ガルーダ」が隠されているとにらんでいた怪人二十面相は、配下の男の子を、校庭に倒れた二宮金次郎に成りすまさせて、蔵への入り口を探っていた。
だが、その行動は、四谷家の配下の者にはバレており、蔵への入り口に近づいた二宮金次郎に化けた少年は、四谷家の配下の者に銃で狙われていたのである。
独断で綾鳥学園に潜入した小林少年は、それに気づいて、とっさに少年に体当たりした。
ふたりは、そろって財宝蔵への入り口から地下へ転がり落ちてしまったのである。不思議の国のアリスか!?
このふたりの、綾鳥学園の地下道の逃亡劇は、手に汗を握る。
二宮金次郎の少年は、男の子に扮装していたのがバレてしまう。正体は、少女ミツルであった。
それからの二人のやり取りは、敵同士なのに追ってから逃げるうちに、恋仲のような感じになって。。。
ようやく、逃走し終えた彼らは、街の中で追っ手に気づいて逃げたのだが、二十面相配下の少女ミツルは、四谷の手のものに捕獲されてしまった。
新築中の綾鳥学園の下には新兵器研究所までもが隠されているようだ。
やはりこの当時の金持ちも悪いやつらばかりだ。
二十面相は、この綾鳥学園の蔵から、お宝「神像ガルーダ」を頂戴するという。
財宝を他国から不正に略奪したことを知られたくない四谷家。
だが、二十面相に予告をされてしまっては、警察の知るところとなる。
不正な財宝とは知らずに二十面相から財宝を守ろうとする警視庁。
警視庁から支援を頼まれる明智小五郎。
結局、明智先生は四谷家に赴くことになったわけだが、四谷家はミツルを拉致しているから、小林少年から話を聞いた明智先生から見ても許せない相手である。
はたして、二十面相はミツルを助けて「神像ガルーダ」も奪えるのか。
小林少年は明智先生と警察の支援のため四谷家に合流するが、真の目的はミツルの救出!
さて、どうなるか。。。
小林少年の観察眼は、少年のそれではなく、むしろ名探偵コナンの如し。
いろいろあって、四谷家の刺客に追い詰められる明智小五郎と小林少年!
なんと、助けに入ったのは、クライスラーに乗った二十面相!
だが、二十面相は四谷家の刺客が操縦するヘリから狙われて・・・。
(ネタバレ非公開)
怪人と名探偵。
お互いがピンチになった時の阿吽の呼吸。ほんとうに敵なのか。
まるで銭形警部とルパン三世、ちょっとちがうけど。
とまあ、あっという間に読めてしまった。
二十面相、暁に死す。
果たして、二十面相は死んだのだろうか。。。
辻真先(つじまさき)さんのプロフィール
1932年3月生まれの91歳!(2023年9月現在)
簡単には書ききれそうにありません。(Wikipediaを参照ください。)
〆