『ホワイ・ダニット』　行動心理捜査官・楯岡絵麻が犯罪の動機を解き明かす！

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著者　佐藤青南　～内容紹介～

第一話　殺人動画にいいねとチャンネル登録お願いします

カップルユーチューバーのサトシとアスカは、先輩カップルチャンネルの「はるみき」の生配信を見ていた。

サトシとアスカが見ている前で、はるとは、ファンの馬場尚美に浮気を理由に殺された。
だが、吉永みきを取り調べても、犯人の馬場尚美が言うような、はるとの浮気の証言は得られなかった。さて、どういうことか。殺人の動機が無い？
なのに、ファンの馬場尚美は椎名はるとを殺したというのか？

調べていくと、吉永みきと椎名はるとはすでに別居状態だったとわかる。
その二人が無理に良い仲を演じてYoutuberとしての収益の恩恵を受けていた。

楯岡絵麻が目を付けたのは、吉永みきが別居するときに、椎名はるとに返したはずの合鍵だった。

＜登場人物＞
種田聡、明日香　登録者数10万人のカップルユーチューバー
椎名はると、吉永みき　登録者数130万人のカップルユーチューバー
馬場尚美　ネイルサロン経営　椎名はると殺人の容疑者
筒井道大　捜査官
綿貫慎吾　記録官

第二話　指名料はおまえの命で

西野圭介と看護師の琴莉は、アパートで眠れない夜を過ごした。

新宿二丁目で、暴行殺人事件が発生。
楯岡絵麻と西野刑事が捜査本部に合流した。

被害者は、山名晃太２４歳近くのホストクラブ勤務
その夜は、ナンバーワンの一条銀河からずっと説教されていたらしい。

そして取調室。銀河は楯岡を絵麻ちゃんと呼び、西野は舌打ちする。
しばらくは、ホストと遊んでサンプリングをしていた楯岡絵麻が本題に入ると、油断していた相手は味方が急に敵となったことで焦るのである。

マイクロジェスチャーと呼ばれる本能的な肉体反応は正直らしい。
NO.と言って首を横に振っても、その前にわずかに首が縦に振れているのである。
楯岡絵麻は、これを見逃さないのだ。

観念した一条銀河だったが、酔っぱらっていて「殺したと思う」というレベルだ。
しょうがないので、なぜ殺したのか「動機」を深層心理から探ることにした。

第三話　天才子役はミスキャスト

タワマンに住む染井健太郎は背が高かった。
染井佳乃は娘で人気子役、妻の史子（あやこ）は五日前、このマンションから転落死していた。
史子は佳乃のマネージャーで、健太郎は個人事務所の社長。

健太郎は出かけていたという証言で、警察は事故と判断していたが、記者会見での様子から嘘だと見破った楯岡が染井のマンションを訪れた。

あくまでも出かけていたという染井宅を一旦退去し、フロントに頼んで、防犯カメラ映像の閲覧をさせてもらった。ところが染井が出かけた映像は無かった。戻って問い詰めると白状した。実は同じマンションに女を囲っており、そこへ行っていたと。娘に言えないので嘘を言ったという。

これは、犯人推理の重要な状況であるが、果たして犯人は・・・？

第四話　誰がために鈴は鳴る

西野が彼女とコンビニに出かけて戻ると、窓ガラスが割られて、カーテンに火が点いていた。
取調室で楯岡絵麻と対峙いているのは、殺人魔で元診療内科医の楠木ゆりか。
絵麻と同様に、心理学を知り尽くしているため、取り調べはやりにくい。
絵麻の見立てでは、この女が獄中から誰かを操って放火させたらしいが、証拠はつかめない。

そして別の事件。夜回り先生として名をはせた景山が自宅マンションの玄関で殺され、部屋からは高級バッグが何点か盗まれていた。防犯カメラ映像をもとに、容疑者が逮捕された。
山崎勇人。筋肉タイプの三十歳。刺青あり。

共犯者は、平田竜司。罪をあっさり認めた点に納得がいかない警察は、楯岡に取り調べを依頼してきた。罪を認めるということは、死刑も辞さないということになる。
命を懸けてまで隠したいこととは何か！？　楯岡絵麻は、これを鮮やかに解決する・・・。

初めに戻って、西野刑事の彼女の自宅に放火した犯人の正体は未解決のままだ！？

著者プロフィール

1975年、長崎県生まれ。第9回『このミステリーがすごい！』大賞・優秀賞を受賞し、『ある少女にまつわる殺人の告白』にて2011年デビュー。他の著書に「消防女子!!」シリーズ、「行動心理捜査官・楯岡絵麻」シリーズ、『嘘つきは殺人鬼の始まり SNS採用調査員の事件ファイル』（以上、宝島社）、「白バイガール」シリーズ、『犬を盗む』『一億円の犬』（以上、実業之日本社）、『君を一人にしないための歌』（大和書房）、『鉄道リドルいすみ鉄道で妖精の森に迷いこむ』（小学館）、『たぶん、出会わなければよかった嘘つきな君に』（祥伝社）、「連弾」シリーズ（中央公論新社）、「お電話かわりました名探偵です」シリーズ（KADOKAWA）、「ストラングラー」シリーズ（角川春樹事務所）などがある。（本書の情報より）