異類婚姻譚 本谷有希子 第154回芥川賞

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Wikipediaによると、“異類婚姻譚(いるいこんいんたん)とは、人間と違った種類の存在と人間とが結婚する説話の総称。世界的に分布し、日本においても多く見られる説話類型である。なお、神婚と異類(神以外)婚姻とに分離できるとする見方や、逆に異常誕生譚をも広く同類型としてとらえる考え方もある。” とのこと。

“ある日、自分の顔が旦那の顔とそっくりになっていることに気が付いた。”

登場人物を整理しておきます。

〇自分はサンちゃん、結婚して四年目、愛猫ゾロミ

〇夫とは再婚、収入はかなりある、元妻は超美人

〇弟のセンタ

〇弟の彼女のハコネちゃん

〇キタヱさん、愛猫はサンショ 以前はサンフランシスコのアパート住まい

〇キタヱさんの夫がアライくん

〇キャンピングカーを貸してくれる夫の同僚のウワノ

〇ハセボー

ほか?

キタエさんの友人の女性は、夫と似ることから戻るために、寝室に置いた水盆の石に身代わりになってもらったという。三枚のお札みたいなはなしらしい。内容は知らないけど。

“結婚前に会社で激務を押し付けられていたサンちゃんは、そのころ知り合った旦那が無理して働かなくていいと言ってくれたので、喜んで結婚した。”

でも、子供が授からないので、ラクチンな人生に後ろめたさもあるのだ。

“食事をしながらテレビが観たいという旦那の希望で、サンちゃんの定位置は旦那の向かい側ではなく、右側と決まっている” ところは、我が家と同じだ。

夏になると、旦那が急に仕事から早く帰ったり、休んだりするようになり、旦那の目鼻が顔の下の方にずり下がったりする。

そして、反対に旦那からまじまじと顔を覗かれこう言われた「サンちゃん、劣化したなあ。」

結婚して四年目なのに、中年夫婦のような会話だ。

キタエさんちの愛猫が、おしっこの粗相をしまくって困っているらしい。匂いもひどくなり近所から苦情を言われて、山に逃がすことに。逃がす?のかな。。。

二匹の蛇のはなしが出てきて、お互いの尻尾を食べ合ったら、最後に消滅したっていうけど、そうなるかなあ。

サンちゃんは、これまで誰かと親しい関係になるたび、自分が少しずつ取り替えられていくような気分を味わってきたらしい。旦那と似てくるのも分かっていたようだ。

キタヱさん夫妻と山へ愛猫を逃がしてから、ご主人のアライくんに、夫と似ることから戻るためなら、石を挟んだらとアドバイスされたが、結局挟まずにいる。これがラクチンなのだ。

会社から早く帰るようになった旦那が、揚げ物ばかり料理して食べさすようになる。

気付くと、主人と主婦の座が逆転している。旦那が女房化していく。

ついにサンちゃんは、言い放ってしまった。“あなたはもう、旦那の形をしなくていいから、好きな形になりなさいっ。” と。

彼は、山芍薬(やましゃくやく)になった。(なんのこっちゃ?)

サンちゃんは、旦那を山へ還しに行った。(これまた!?)

そして、翌年の晩春、旦那に会いに行くと、となりに植えた竜胆とそっくりになっていて…

な、なんとシュールな、、、芥川賞。

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