アリスはどこへ行った? グレゴリー・マグワイア
背景
本書は『ウィキッド』などのベストセラー作家であるグレゴリー・マグワイアの最新作です。主人公のエイダは、『不思議の国のアリス』でアリスが口にした友だちのひとり。
マグワイアは『不思議の国のアリス』にヒントを得て、エイダという少女やアリスの姉たちの視点を借り、地面の下にある奇妙な世界を興味深く、古き良きオックスフォードを美しく描いています。
本書は体に障害のある少女エイダがアリスを捜しながら、さまざまな出会いや体験をとおして、自分を縛っている障害から自由にはばたく力と強さを見出していく物語です。エイダのけなげな奮闘をどうぞお楽しみください。(訳者あとがきより)
内容紹介、感想
図書館では、あまり洋書コーナーへは行かない私が、珍しく目に付けた本がこれだった。アリスに関連するなら読めるかな。
もともと、外国語を翻訳したものは、面白いと思ったことがあまりないのだ。ただ、アリス・イン・ワンダーランドはあまりにも有名だ。
そのアリスに関する物語らしいから、読めるんじゃないかと思った。
さて、読み始めたが、やはり教養をひけらかすような説明がくどいのだが、イギリス人は、これをウィットに富んでいるとか言って喜ぶのだろうか。
でも、そんな趣向だけの人たちが、川端康成にノーベル文学賞を出さないだろうなと思ったら、自分の読書力が足りないのだと思わざるを得なかった。
くやしいから、がんばって1/4ほど読むと、慣れてきた。 ん、意外と面白いかも。
ついに、ウィットの理解力を身につけた私は、そのあと一機に読み通した。
0時30分。 あ、あした会社や、寝よ。。。
訳者があとがきで書かれているように、健常者ではない、アリスの唯一の友だちのエイダが、自分のことを顧みずに、アリスを救いに行くのである。感動するに決まっているではないか!
正確な感想は、「不思議の国のアリス」を読んでから披露すべきかも知れないが、なんとなくそれのあらすじを知っていれば、十分に楽しめるのである。
エイダやアリスのように10歳くらいのブリティッシュの女の子の思考、15歳くらいの姉のリディアの乙女心 対 家庭教師の女性との恋の戦い?とか、裕福な家庭のご主人たちとその家に仕えるコック、子守、家庭教師らの生き方、首になったら次はないわと必死にアリスとエイダを探す家庭教師など、19世紀のイギリスのオックスフォード周辺の生活も垣間見られて、読み方によっては、実に興味深い。
ちまたの感想などを読んでみたが、洋書は苦手だの、よく分からないなどと批判している方々が多いのは残念である。
ちゃんと読めば、ちゃんと面白かったし、これはどうやって映画にしようか、などと考えながら読んでいたら、あっと言う間に読めたのである。
そして、健常者ではなかったエイダの成長が、アリスの冒険と並行して同じようなファンタジアの中を駆け巡るなかで感じられることだろう。
あっぱれ、グレゴリー!
あ、どうみもすいません。初グレゴリーさんなのに、偉そうに書いてしまいました。
ご興味ありましたら、是非チャレンジください。