内容紹介・あらすじ
日本今ばなし
神の私は、認知症の老人に対して、どうふるまうべきか?
ここからの神と人間のおじいちゃんと孫たちのやりとりは、まるでコントである。
ついに神は怒りにまかせて、その力を発揮してしまった。その結果・・・。
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と、これが神の不祥事という新人研修ならね「新神研修」でした、というオチである。
と、思ったら、もうひとつ笑いがありました。さすが・・・。
「はい、みなさん、ご一緒に」
「人間様は、神様です!」
貴様(SS)
貴様とは、もともと敬語だという話から、先生と生徒の立場が逆転したような会話が繰り広げられるショートショート。ま、おもろいけど
一気にドーン
国崎香奈子は55歳。40歳くらいまでは、売れない芸能人だったが、マネージャーが国崎の若見えに気づいて売り出してくれた。
結果、今では「美のカリスマ」と呼ばれ、収入も普通の人の4倍くらいになって、充実していた。
ただ、自分が宣伝している商品は、ほとんど使ったことがなかった!
そして、ある朝、起きて鏡をみてみると・・・。
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鏡に映っていたのは、お婆さんだった。
事態は最悪な方向へと進んだ。マネージャーも元夫も自分だと信じてくれない。本人しか知らないエピソードを話しても、ネットで調べたんやろと取り合ってもくれないどころか、香奈子のストーカーだと信じてしまったのである。
香奈子は、香奈子のストーカーとして、警察から追われる身となった。
逃げる途中で、車に跳ねられ入院し、DNA検査を行ったことで、皮肉にも本人と判明した。
そう、香奈子は「一気にドーン」と歳をとるタイプだったらしい。
ただ、逃げる途中でも「一気にドーン」と車に轢かれた香奈子は、ストーカーの疑いが解けて?安らかな顔で死亡していたのだった。
マッチングサイト(SS)
「マッチングサイト」をやめるために「マッチングサイト断ちのマッチングサイト」に入るという、わけのわからんショートショート。
伝説のピッチャー
ドラフト1位で入団した投手の滝田も、もう戦力外になりそうな成績だった。
そして、ギャンブルにのめり込み、ヤクザに借金を背負わせられた。
ヤクザから八百長を命じられるが、その試合では何故か相手がアウトや三振になってしまうのだ。
ヤクザから「次は殺すぞ」と脅された。
もう、フォアボールを出すしかないと考えた滝田は、変な握り方でボールを投げてみた。
「ストライク!」 「え?」
球場がどよめいた。滝田はすごい変化球を編み出したのだ。
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この変化球は、「タキタボール」と名付けられ、1イニンングに三球しか投げてはいけないルールが出来た。
ところが、発明者の滝田は、不慮の自動車事故で他界した。
そして、彼は「伝説のピッチャー」となった。
シンデレラ・アップデート(SS)
みなさんが知っているシンデレラのストーリーではなく、シンデレラが、自分に対して求婚してくれた王子を恫喝するところから始まるのは面白い。
シンデレラは、貧しい民衆を味方に付けて、とうとうお城を奪い取り、政権のトップに座る、そして、善行政治を行い、良い国になったというお話。端折りすぎか。ショートショートだしね。(;^ω^)
心霊昨今
ある若いカップルが、心霊スポットを冷やかしに行き、スマホで写真を撮ってみると、バックに幽霊が映っていたので、バリびっくりして脱げだした。
サイゼリアで仲間のカップルに写真をみせると、「それ、心霊が映るアプリじゃね」とか言って、10分後には、パンケーキの話に夢中になっていた。
それに腹を立てたのが、そう、幽霊である。
なんで、今の子たちは幽霊が怖くないんだ!?
若い方の幽霊が成仏してしまい、古い方の幽霊が仲間を探して旅に出た。
ようやく若い女の黒髪が長い幽霊の千晶を見つけ、写真に写るのではなくて、YouTubeとやらに出て、たくさんの視聴者を驚かそうということになった。
人気のYouTubeの生配信で出ることができて、効果はまあまあ良かった。
そのYouTuberらは、なぜか幽霊の件で険悪になり、コンビは解散してしまった。
幽霊の勇に優しくされて満足した千晶は成仏した。
またひとりになった勇は、子どもの風雅という幽霊を見つけた。
そして、信用が必要だと考え、テレビ報道番組に映ろうと考えた。
ただし、テレビ局の照明は明るすぎて、幽霊は映りにくいという問題があった。
風雅といっしょにテレビ局の近くまできたとき、虐待の悲鳴が聞こえた。
風雅は、幽霊の力を振り絞り、地震のように壁を揺らして、女の子を救った。
やばい、風雅も消えそうだ!
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と、そのあと、なんと自分にもお迎えが来てしまった。
やだやだやだやだと、わめいてる声が、おぎゃーに変わった。
ここは、笑ってしまった!(;^ω^)
未来の芸能界(SS)
未来の芸能界の謝罪会見が三つほど描かれている。
どれも、ちょっとそんなことで?と思うような内容で謝罪させられて、謹慎・活動自粛などと言っている。
やりすぎだなと思う。ただ、それだけの話。って言ったら、叩かれるんやろうな(~_~;)
そして、最後は、「ずっとなんの不祥事も起こさずにきて申し訳ありませんでした。」とか、「それでも芸能人ですか!」とか言われる始末。 とうとう、ここまできたか・・・。
比例区は「悪魔」と書くのだ、人間ども
民間シンクタンクの橋爪光博は、政治や社会に対して語る男だった。
橋爪と彼女、友人のカップルはダブルデートしていた。
「今のこの国には、国民をガツンと𠮟れるような政治家が現れなきゃいけない!」とも言う。
デートの帰り、車の前に巨大な怪物があらわれた。
そして数年後、彼は悪魔党党首・サタン橋爪となって政界に挑んでいた。
そして、とてもいいことを言う。
『増税は痛いとか苦しいとか、そんな泣き言に耳を貸すつもりはない。・・・なぜなら今まで増税を避け続けてきたことによって、低賃金の保育士や介護士、そして将来世代にまとめて押し付けてきたものだったのだ。その無責任さを少しは恥じるのだ、この愚民どもが!』
なぜか、こっちも気持ちがいい。
『いいか、比例区は『悪魔』と書くのだ、人間ども!』
こんな主張が、国民にも好評で、なんと4人の悪魔党員が当選した!
そして、五年後には、党員40名を超える一大政党に成長していた。
そのうち、移籍してくる議員も出始め、千堂武彦もそのひとり。
だが、彼は同性愛者に対しての差別的発言をしてしまうが、その千堂議院を速やかに除名処分にしたことで、サタン橋爪は「総理になってほしい政治家」で、1位を取るようになっていった。
とうとう、そのときが訪れた。
「サタン橋爪君を内閣総理大臣に指名します。」
そして、サタン橋爪は、税率を上げ、福祉を充実させ、出生率も2まで回復させた。
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政権を取って10年たったころ、ようやくサタン橋爪は、総理大臣いや政治家を辞める宣言をして、国民を驚かせた。
そして、2099年、ついに悪魔が地上に現れた。
あのとき、政界の突如あらわれた悪魔党のサタン橋爪と三人の仲間たちの正体は、本当の悪魔だったのだ!学生のとき、ダブルデートの帰りに、サタンに襲われ、体を乗っ取られたのだった。
(なんという、展開! こんなのありか?)
彼らは、あっという間に、地球上の人類を食べ尽くし、人類は絶滅した、とさ。
宇宙人用官能小説(SS)
まあ、これの説明はいいかな。
だって、触手が26本もある宇宙人同士の官能小説のあらすじなんか、書けるか!
三十年後の俺
部活から帰ると、家の庭に見知らぬおじさんがいた。
「誰ですか?」
なんとそのおじさんは、三十年後の自分だった。
これから自分の身に起こることを教えてもらって、喜んでいた。
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そこへ、母が帰って来た。
「なんで、あんたがいるのよ!」
そのおとこは、三十年後の自分ではなく、母と離婚した父だった。
それから、自分が結婚して、できた息子には、おやじが言ってた「豊」と名付けた。
ところが、妻が離婚を切り出して、結局離婚してしまった。
それから十数年がたち、自分もあのときのおやじと同じことをしようとしていた。
息子の豊の家で待ち伏せると、豊が部活から帰って来た。
「誰ですか?」
歴史は繰り返す・・・。
AI作(SS)
早乙女祐介は大学の正門を出て、千代田ホールへタクシーで向かった。
時代はもはやAIの時代。
世の中の小説は、いまや9割以上はAIによって書かれたものになっていた。
そして、そのタクシー運転手は言った。
『私は元小説家だったが、あなたの作ったAIのせいで失業してしまった。こうなったら、あなたを道連れにして、高速道路から出版社のビルへ突っ込んで死んでやる!』
早乙女が最後に見たのは、出版社のビルの壁と大爆発の閃光だった。
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で、終わりではなく、この話はタクシー運転手が言っていた作家(おそらく自分)の書いた小説をAIに学習させてアウトプットしたものだった、というオチがあった。
〆