内容紹介、拙評、感想
第一話 唇よ、熱く君を語れ
日本有数の外食産業、株式会社<メシヤ美安果>の社長本多輝琉と旧悪を暴くことが生きがいのジャーナリスト上村正人の対決。
上村は、数々の悪事を行いのし上がった本多の旧悪を暴くと言ってきた。金が目的でないだけに扱い難い。
もう殺すしかないと考えた本多は、自分の誕生パーティに上村を招待し、酒で酔わせた風を装い、自動車事故死に見せかけて殺害する。
さっそく警視庁捜査一課の竜めぐみとペアの青井刑事が現場へ向かう。
ただの事故案件と考えている上層部に逆らって、めぐみは青井と捜査を展開する。
竜めぐみは、被害者の上村のその日の行動と、パーティに集まって宿泊した人たちの証言、殺しに使った車の鑑識結果から、論理的に犯人を追い詰めてゆく。
第二話 人形の家
人形というよりは、ロボットまたはアンドロイドを連想した方がよい。
株式会社<アーマン>は、阿万貴司と野垣直人が共同経営するロボットの会社だ。
資本金一千万円の株券の所有比率は、
阿万貴司:四百万円
阿万の妻:二百万円
野垣直人:三百万円
真柴あやか:百万円
であったが、阿万は共同経営者の野垣に内緒で、真柴あやかに妻の株を譲渡したのである。
野垣が怒るのも無理はない。阿万と真柴はできてしまったのだ。怒った野垣は真柴あやかを辞めさせろ、さもなくば自分が会社を辞めると言いだした。ロボットを作ったのは野垣だ。辞められたら会社は立ちいかなくなる。
このままだと、自分が首になりそうだと考えた真柴あやかは、自分そっくりのアンドロイドであるアーマン7号で、野垣を殺すことにした。
いつも週末は残業して泊まり込むことが分かっていたので、酒を飲んで会社のベッドで眠った野垣を一刺し!
アーマン7号に返り血の付いた服を着させたのである。
女(真柴あやか) 対 女(竜めぐみ) の戦いが始まった。
アーマン7号は、真柴あやかと見かけはパーフェクトに同じだが、その行動が人間と同じようになるかどうか、再び鑑識の力が発揮される。
第三話 ブルー・シャトウ
東京都青野川市長の中谷康一は、五十二歳。
彼は野心家で、いずれ国会議員になろうと考え、新市庁舎を建設した実績を持って、国政選挙に打って出る計画だ。
だが、新市庁舎の建設は、無駄だと言う世論が大きくなりつつあった。
そして、その急先鋒の末川寿之は、中谷の税金の無駄使いや部下との不倫を攻撃材料として次の市長選に立候補するという。
自分の野望が、ひとりの正義ぶった市議に潰されそうになった中谷は、市長室にあった鑑賞石を末川の頭上に振り上げた。。。
久しぶりに、朝風呂を浴びていた竜めぐみは電話で呼びだされる。
自殺したと思われる末川議員には、自殺の動機がないという。
市庁舎の作り、市長室の掃除の女性の証言、遺書の文言の矛盾、植木職人への聞き込みなどから市長を攻めていく。
まるで刑事コロンボのような捜査と追及をお楽しみください。
鯨統一郎さんのプロフィール
1998年『邪馬台国はどこですか?』で衝撃のデビューを飾る。以後、快作・話題作を発表し続け、ミステリー界で確固たる地歩を占める(本書の紹介文より)
【意外と知らないIT用語】ドメインって何? お名前.com著者の作品
「新・世界の七不思議」「タイムスリップ戦国時代」「湯布院・産土神の殺人 作家六波羅一輝の推理」「幕末時そば伝」など(本書の紹介文より)
ラブライブ!コラボキャンペーン。
〆