著者 竹内雄紀
レビュー
展開の面白さ、見どころ
パッとしない男3人が自分をパパとしてレンタルし、問題を抱える家族と関わっていく。
結婚式での新婦の父親役、運動会では息子の応援係、子供の遊び相手、娘を叱る依頼など。
「日本レンタルパパの会」メンバー紹介
・夢野王司(ゆめのおうじ):
35歳で、超一流商社の課長を務めるスーパーエリート。
お坊ちゃま育ちのため、家事や育児はうまくできない。
・波平昭平(なみひらしょうへい):
実年齢38歳、見た目は60代のため、あだ名は “ナミヘイさん”
理想のパパだと自負していたが、クリスマスイブに妻と娘に逃げられてしまう。
・赤富士司(あかふじつかさ):
総務部お客様相談センターに左遷され、謝ることが仕事になったエセ関西人。
左遷の事実を告げられず、家族との微妙な距離感に悩んでいる。
中年男たちの友情で、事態が好転しだす!?
感想
日本レンタルパパの会
管理組合のオジサン三人の話が、それぞれの章で展開されます。
第二章 家族計画崩壊絵図 ・・・夢野王司(ゆめのおうじ)さんの話
第三章 一人きりの運動会 ・・・波平昭平(なみひらしょうへい)さんの話
第四章 関西弁研究会 ・・・赤富士司(あかふじつかさ)さんの話
その話は、それぞれ、孤独や問題を抱える家族と、レンタルパパの会の活動を通して知り合い、家族とは何かに気付き、幸せを掴む話となっていました。
また、それぞれの章の物語が、互いに少しずつ関連していてドタバタしています。
会話の内容やオジサンたちの行動はまるで喜劇のようですが、最後は、中高年の方なら必ず、涙腺が弛むことでしょう。
くそー、単なるコメディやと思って油断しとった。
笑って泣けるドタバタ劇を読んで、すっきりしてください。
著者プロフィール
東京都出身。慶應義塾大学文学部卒。海外在住。別名義によるノンフィクションの著書多数。
2013年に「持ち込み不可」という内規がある新潮文庫編集部への持ち込みから、
『悠木まどかは神かもしれない』で小説家として異例のデビューを飾る。
ユーモアに富んだ心くすぐる筆致で注目を集めている著者は、本作が初の単行本となる。
著書に『オセロ●○』(ハルキ文庫)がある。(本書の情報より)
心に残る名言
「オレらが子どもを助けたんやない。彷徨うオレたちを子どもらが救ってくれたんや。」
「父親と夫にとっていちばん大切なことは、家事をこなす技量ではありません。子どもとスポーツをするための運動神経でもありません。いちばん大切なのは、とにかく家族といっしょにいて、寄り添うことなのです。」
書籍・著者情報
・形式 単行本
・出版社 祥伝社
・ページ数 253頁
・著者 竹内雄紀(たけうちゆうき)
・発行 2015年2月7日
〆