復習する女とされる女(された女)で話が進んで行く。
勝ったはずの女・中条夏子、負けた女・黒羽姫乃
密室のような別荘と第三者である火山学者の碓氷優佳
夏子が殺したときには持っていなかったはずのカフスボタンが姫乃の手に握られている。これが大きな『キー』となる。
まさか姫乃の方も夏子を殺そうとしていたことと、自分が負けたときの犯人告発までを想定していたことは、こちらの想定外で、頭の良い碓氷が夏子を追い込んで行く。
作家の手法としては、結論から流れをつくっている。途中の記述も後から謎解きをされると、なるほどと分かるようにされている。他の推理小説もそうだが。
夏子が最後に事故って死んだかどうかは分からない。
その最後まで夏子を追って来るかのような姫乃の用意周到さに読者も最後まで緊張感を持って読まされる。
〆
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