ていん島の記 仁木英之
あなたのサイトのURL、そろそろスリムにしませんか?内容紹介・寸評
「ていん島」は、空に浮いている。かつては海の上にあった島。
その山に住む「山人」の少年たちは山の恵みを仲間たちにもたらす狩人、カリシャであった。
兄のミリドは命を落とし、弟のムウマがウカミダマの加護を受け、狼神となった。
「ていん島」には、山人、川人、空人の三部族いる。
現代で例えると、アメリカ、日本、ロシア?
さて、登場する主要な三人は、ムウマ(山人)、ライラ(川人)、イリ(空人)という。
三人の親は、それぞれの国を束ねる領袖(アジ)である。
山、川、空の人々は、人口が増えたため、食料の確保に困り、領土争いが起こっている。神々が人口を調節するために、わざと争いを誘発しているようでもある。
この設定は、ほぼ現代の状況にも見て取れる。戦争やコロナ禍がそうだろう。神が(人が)仕組んだと言えなくもない。
空人のイリが、川人の神聖な祈りの場所(ウタギ)に堕ちたという事件から物語は進展していく。ウタギには決められた人しか踏み込んではいけない掟がある。
ムウマとライラは空人がウタギに堕ちたことに気づいて、様子を見に行く。その空人イリは少女であった。
ムウマとライラは親であるアジに内緒でイリを助けようとするが、運悪く二人は、川人らに見つかってしまい、捉えられてしまう。そのため、彼らの親である領袖たちもその立場が危うくなってしまう。
そして不思議なことに、翌朝、領袖らが互いを刺して死んでいるという展開へ。
犯人にされた領袖の子ら三人は、その罪の裁きを受けるため、神のいるアマンティへ連行される。
アマンティで窯の番を命じられたムウマ(山人)、ライラ(川人)、イリ(空人)の三人は、争わずに皆が生き残る方法はないかと「ていん島」の隠された秘密を求めてアマンティの中心部へ向かう!
三人がチームを組んだ。まるでロールプレイングゲームの始まりのようだ。
この続きは、一気に読めた。(最近、RPGゲームやってなかったからか、のめり込んでしまったようだ。) 果たして、争いで人口を減らさずに皆が生き残る道はあるのか。是非手に取ってお楽しみください。
仁木英之さんのプロフィール
1973年大阪府生まれ。信州大学人文学部卒業。2006年『夕陽の梨 五代英雄伝』で第12回学研歴史群像大賞最優秀賞、『僕僕先生』で第18回日本ファンタジーノベル大賞を受賞。ベストセラーとなった「僕僕先生」シリーズや、「千里伝」シリーズ、「くるすの残光」シリーズ、「黄泉坂案内人」シリーズ、「立川忍びより」シリーズなど多くのシリーズを手掛ける他、『まほろばの王たち』、『真田を云て、毛利を云わず 大坂将星伝』(上・下)など著書多数。(本書の紹介文より)
〆