内容紹介
エピローグ
事件発生!
薩摩治郎は、稲葉千夏を北畠彩香に食べさせた。
第一章
登場人物Ⅰ
白石洛 元家裁調査官(犯罪社会学と臨床心理学のプロ)、妹と二人暮らし、独身
白石果子、年子の妹、外資系医療機器メーカーの開発営業部
和井田瑛一郎 茨城県警捜査一課の巡査部長
白石洛と和井田は同級生(高校、大学)
事件発生!
白石が家裁調査官だったとき、少年院送りにした17歳の薩摩治郎少年が、24歳になった今、ビジネスホテルで殺害されたという。
そして、警察は被害者宅へ向かう。被害者の父は他界しており、母の志津は不在であったが、離れからうめき声が聞こえた。そこには、首輪を付けられた全裸の女性が幽閉されていた。それが北畠彩香である。
第二章
登場人物Ⅱ
治郎の父は、伊知郎、実は伊知郎も祖父から暴力を振るわれていたらしい。
治郎の母は、伊知郎の三番目の妻で志津
白石は、元庭師の林善吉や薩摩家の家政婦だった安田幸恵に話しを聞いた。
大須賀光男は土地をめぐる詐欺トラブルで、伊知郎を恨んでいたが死んでしまったので、代わりに伊知郎の息子治郎を殺したのではないか。
和井田の元同級生の白石は、強引に捜査に協力させられるという関係である。
薩摩治郎に幽閉され殺された稲葉千夏の義父の稲葉弘が、事件をエサに、薩摩志津を恐喝したが、警察に注意された翌日失踪した。稲葉弘が犯人か。そもそも稲葉千夏が家出する原因は義父の自分の行為だというのに、義理の娘が被害者だと知って、自分の行為を棚に上げて、治郎の母を恐喝したということらしい。
第三章
塾帰りの國広海斗。と、三橋未尋。ふたりとも中学三年生で、家には帰らないが、金にも困っていない。
海斗は父の後妻に、いじめの復讐をしたかった。犬のように扱うことで。
未尋は、ネグレクトされている少女にドッグフードを食わせて喜んでいる。
二人は未尋の家に行く。家はデザイナーズ建築、弟は四歳で邪魔らしい。家政婦の森屋さんが弟を見ることになり、未尋の手もかからなくなったので、海斗を家に呼んだということらしい。母は亜寿沙。この章の人々が、冒頭の事件にどう関わってくるのか全く分からない。
第四章
伊田瞬矢 従兄が自殺してグレル。進学した高校には、従兄を死に追いやったと信じている薩摩治郎がいた。
白石の調査で、薩摩伊知郎の事故は、「ガキ」による殺人らしいと分かってきた。
そして、監禁され殺された少女、稲葉千夏の義父の正体を警察がつかんだ。
また、薩摩治郎から出入り禁止を宣告されて自殺した伊田純太の従兄の伊田瞬矢が、薩摩治郎をいじめていたことも分かった。
薩摩治郎殺しの容疑者がふたり浮かび上がってきたことになる。
第五章
未尋は弟の睦月を消したくて、海斗は父の後妻のミキを消してほしかった。
互いの思惑が一致した。
白石の聞き取り調査によって、警察の捜査は終盤に近付き、ついに犯人が浮かび上がってくる。なんと。。。
犯人はいつも、意外なところから私たちを見て笑っているのである。
櫛木理宇さんのプロフィール
1972年新潟県生まれ。大学卒業後、アパレルメーカー、建設会社などの勤務を経て、執筆活動を開始する。(Wikipediaより)
著者の作品
2012年、『ホーンテッド・キャンパス』で第19回日本ホラー小説大賞読者賞を受賞。同年、『赤と白』で第25回小説すばる新人賞を受賞する(投稿時のペンネームは串木里有)。好きな作家として、ジョン・ソール、ルース・レンデルを挙げている。シャーリイ・ジャクスン『山荘綺談』、コリン・ウィルソン『現代殺人百科』などが、ホラー小説に熱中するきっかけとなったという。
2016年7月、『ホーンテッド・キャンパス』が、中山優馬主演で映画化。2022年5月、『死刑にいたる病』が、阿部サダヲ主演で映画化された。2022年8月、『鵜頭川村事件』がWOWOWでドラマ化された。(Wikipediaより) 〆